のらねこ様、カレシ仕様

んげっ!



校門に小型犬発見っ!




「黒川さ~ん!」


高い声上げて腕に飛びついて来た小型犬を容赦なく振り払う。


触んなっ!


ヨロけて、転ぶハズだった小型犬が軽く宙に浮いた。


「オマエなぁ~・・・オンナ相手にもうちっと手加減しろよな。」


小型犬を易々支えた番犬が俺に向かって眉を顰める。


知るか、んなモン。

俺こそ不用意に触られて
鳥肌立ったし!
謝罪しろ!



バチン★


途端に、顔を真っ赤にした小型犬が自分を支える腕を叩いて吠えた。


「アンタに助けてくれなんて言った覚えないわよっ!」


・・・かっわいくなぁ~。


番犬はつくづくお人よし気質で、家でもなんだかんだ言って小型犬のコト気遣ってやがんのに。

その相手にこの態度だし・・・

俺ならシガラミあったって、絶対こんなオンナに愛想なんざふらないねっ。



「もうっ邪魔ばっかり・・・・私帰るっ!」


小型犬が勝手に怒って身を翻した。



「ちょっと待って、万里ちゃんっ!」
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