のらねこ様、カレシ仕様
身を引くかと思いきや、そこはバカ男。

逆に息巻き、逆恨みもイイ事に俺を潰そうと企んだらしい。小型犬を餌に俺をおびき出した。


それがこの間の雨の日の真相。


だが、生憎、俺の首を持ってくるはずの子分達は、俺にコテンパンに伸され、バカ男は更に逆上した。


それでこの週末、小型犬をとっ捕まえ、俺を呼び出せと脅したらしい。





「なぁ、ソレって石田拓斗のコトか?」

「カオちゃん知ってんの?」

「知ってるっつーか・・・なぁ?」


何故、そこで俺に振る?


心当たりもないと首を傾げると、番犬は呆れたような溜息を吐いて話に戻った。


「隣町で最近結構デカクなりつつある『エンペラー』って族のトップ。

敬愛されてるっつーより、気に入らねぇコト全部、暴力でカタ付けるみたいな?恐怖政治推奨タイプの暴君らしーぞ。」


「サイテー。」


ヒナタの意見に俺も同感。




「ゴメンナサイ。あの日、黒川、サンが私を助けに来たんじゃないって分かってたケド・・・

もし付き合ってるって噂が本当になれば、どうにかなるんじゃないかって・・・」



も、既に『さん』付け、テキトーだし・・・



「それで果敢に追い回してたわけか・・・」

「噂以上に格好ヨカッタし?」



そーいう基準で男選ぶからイタイ目みんだ、バカ犬が。



俺、何気にすっげー無駄メイワク被ったし・・・はぁ。

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