のらねこ様、カレシ仕様
今後のコトはさて置き、ひとしきりの話は終えた。
一人で不安ならここに暫く泊んなよ~、
というヒナタに対し、
最初はゴネていた小型犬も
「そんなに言うならそうしてやってもいいけど?」
とかなんとかいってにわか居候決定。
あーやだやだ。
ヒネクレ犬。
結構イイトコのお嬢ちゃんらしいけど、親は金だけ与えて娘には無関心。
トモダチも最近では学校に押し掛ける柄の悪いヤロウ共の所為で疎遠になりつつあるらしい。
頼るトコもなくて、ヒナタの言葉に心底ほっとした顔したくせに。
「あれ~?カオちゃん出掛けるの?」
「おう!ちょい野暮用~。」
徐に立ち上がった番犬はヒナタににやっと小僧染みた笑顔を返して、出て行った。
それを横目に俺は呆れて溜息を吐く。
・・・・アイツ
ホント、バカが付くほどお人よし。