のらねこ様、カレシ仕様
アイツが何で行ったかって・・・
アイツがそーいうやつだからだろ。
ちょっと勘違いな正義漢。
骨の髄まで番犬気質。
・・・・暑苦しいったら。
そしてヒナタは―――
いきなりリビングを飛び出そうとした小型犬に、ヒナタが立ちはだかった。
「退きなさいよ!私が呼びもどしてくるんだから!
言っとくけど、タクトは本当に強いんだから!」
「そーいう事なら尚更万里ちゃんは行かせられない。」
「アンタ心配じゃないの!?
アタシ、・・・アタシの所為でアイツが怪我するとか
・・・ホント、アリエナイんだからっ!」
「分かってるよ!
だけど
私達が行ったら、薫は余計に怪我しちゃう。足手まといになる!」
ぐっと顎を引いた小型犬に、ヒナタは少しだけ目を伏せた。
「昔ね・・・薫が喧嘩してるって聞いていてもたってもいられなくて行っちゃったんだ。
そしたら喧嘩に巻き込まれて・・・
私を庇った薫は、動きも制限されて、逃げ出すことも出来なくて、しなくてもイイ怪我負った。
現実的に、私達は枷にしかならない。」