のらねこ様、カレシ仕様
愕然と座りつくしていた私は、勢いよく立ちあがった万里ちゃんにはっと我に返った。
「やっぱ、待つだけなんてしょーに合わないのよ!!」
だってそうでしょ?と万里ちゃんが吠える。
「男なんて勝手だわ!待つ側の事も考えないで、好き勝手喧嘩して!そっちがソレなら、コッチだって勝手にするまでよ!心配されんのが迷惑なら、喧嘩なんかすんじゃないってのよ!!」
私はぽかんとした。
どうしたって私達じゃ、喧嘩の邪魔になる。
だから待っててあげることしか出来なくて・・・。
待つことしかデキナイ?
・・・ううん。
本当は心配で大人しく待っていることだってデキナイ。
今すぐ連れ戻したい。
・・・でも・・・
「待って万里ちゃん!」
リビングを飛び出そうとする万里ちゃんを慌てて止める。
「ウルサイ!アタシが行ったら危ないんだって言うんでしょ!でもっ・・・」
「うん、だから―――」
私はメモを翳した。
「これに賭けてみよう!」