のらねこ様、カレシ仕様

2 in 学校






お昼休み。

水道に手を洗いに行った私を、トモダチの京香ちゃんと愛ちゃんがお弁当も食べずに待っていてくれた。


愛ちゃんが丸い瞳をくるっとさせて身を乗り出してくる。


「告白でもされたのーん?」




愛ちゃん、この手の話が大好き。




私は苦笑した。

「ンなまさかー。世間話?しただけだよー?」

さっき水道で手を洗っていたら他のクラスの男子に声を掛けられた。
と言ってもホントに気さくな世間話だった。



「いいなー。あたしなんて廊下歩いてても声掛けられたことないのにー。」


「・・・そりゃ、愛ちゃんに声掛けるなんてよっぽど自信があるか、よほど勘違いな人じゃないとムリだし?」

そのよほどの自信で挑んでくるような男を手玉に取るような子ですもの・・・。






「はぁ、アンタってホントに鈍いわね。アンタに気があるに決まってンじゃないのよ。」




またまた。

私に声掛けるのなんて、単に私が話しかけやすい庶民派ってだけでしょー。




この学校、昔は男子校だった名残で未だに女子の数が圧倒的に少ない。
男の子と肩を並べるだけあってか、少人数の女子は中々灰汁が強い。




今年の春、この学校に転校してきた私は、

こんな学校でやってけるかなー

と心配してたんだけど、
すぐに京香ちゃんと愛ちゃんと仲良くなれてヨカッタ。



その辺りを話すと

『寧ろアンタならこの学校にむいてるでしょー?』

って一笑されるけど。





え??私って強個性キャラ?
至ってフツーなんですけど???



ちなみにキレイ系お姉さまの京香ちゃんは女王様を素で行く人で、
小悪魔系愛ちゃんは、その通り、小悪魔ですケド・・・。


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