のらねこ様、カレシ仕様
静寂を破ったのは低くて落ちついた声。
そちらに顔を向けて、固まった。
どうやら声の主はマスターだったらしい。
二十代後半、巨躯のイケメン。
って、
威圧感がその歳以上にハンパないーっっ!
多分、それは私の先入観とかじゃなくて、店内の空気からしても分かる。
たとえるなら、百獣の王のライオンさんとか?
・・・私、
ひょっとしてトンデモナイ人を訪ねちゃった!?
「俺が烈だが、何の用だ?」
物言いは静だけど、頭からぐっと抑えつけられるような威圧感。
って、怯むな、私!!
「助けてほしいんです。」
声が震えないように、強く言い切った。
くくっくっと笑う声。
視線を動かすとカウンターにいたお客さん。
私より少し上くらい?
コチラもイケメン。
でも茶髪のちょっとチャライ容姿とは裏腹に、隙を見せたら喉元を食いちぎられそうな危うさがある。
強いてたとえるならヒョウとか・・・?