のらねこ様、カレシ仕様
「いいぞ。」
「へ?」
「助けてやるよ。俺に何して欲しいんだ?」
本当に!?
それまで私の後ろにくっついていた万里ちゃんが「あのっ・・・」と前に躍り出て、事の経緯を掻い摘んで説明した。
「へーえ。アンタ、カオのネェチャンか。」
「え?薫も知ってんですか?」
「最近、ここに顔出すようになって、な。」
ふーん。
カオちゃん、普段こんなところに遊びにきてたんだね。
「成る程。アイツ等の仲イイんだか悪ぃんだか分からんカンジ、ようやく納得~。」
「・・・だな。」
何やら納得のお二人。
豹さんがすくっと立ち上がった。
「ま、そーいう事なら、俺が行ってやんよ。
石田のヤロウ最近調子付きやがって鬱陶しく思ってたトコだし。」
ウォオオオと獣の雄叫びみたいな声が店内を揺らした。
な、ナニッ!?
店にいたフリョウさん達、まるでお祭りみたいにハシャイで我先にと外へ飛び出して行く。
烈さんも『俺が頼まれた事だし』と言って店を仕舞ってくれて。
私と万里ちゃんを車に乗せて目的地に向かってくれた。