のらねこ様、カレシ仕様
車に乗っている時、烈さんが話してくれたコト。
「さっきアイツが単車借りに来てな―――」
出てく時に足を止めて思いだしたように言った。
『頼み』
『助けて』て。
「さすがに意味分からなくてほっといたが・・・。」
私の胸がキュンと疼く。
『一つ頼まれて。
ヒナタが来たら助けてあげて』
クロちゃんは残る私の事もちゃんと心配してくれたんだね。
「アイツとは長い付き合いだが、モノ頼まれたのは初めてだ。
・・・最近ちょっと雰囲気変わったなと思ってたんだが、きっとアンタの所為なんだろうな。」
イイ傾向だ、と烈さんがミラー越しに目を細めた。
んー?
クロちゃんて、会った時からあんなカンジだし、私にはどう変わったのかは分からないケド・・・。
ゴメンねクロちゃん。
烈さんを頼ってイイってのも、万が一石田がコッチに来たら守って貰えるよーにってコトなんだって分かってる。
だけど、ゴメン。
もう大人しく待ってなんかいられないんだ。
今、迎えに行くから。