のらねこ様、カレシ仕様
ヒナタのくれたハジメテのキス。
触れるだけのそれに俺の肌がヤバいくらいにそばだった。
シンゾーばくばくする。
どーしよ。
俺、ホント、ヒナタがスキ。
気が付いたら、指先一つ動かすのも億劫なくらい重いのを振り払うようにして、離れて行こうとするヒナタを引き寄せていた。
「っ・・・くろちゃ・・・んぅっ!」
戸惑う声ごと、貪る。
逃げ惑う舌を追いかけて、捕獲して。
離れようと俺を押し返していたヒナタの手が、いつの間にか縋るように俺を掴んでいるのにも煽られる。
もっとシたい。
もっとほしー。
あーもー・・・止まらん。
がらっ。
「はーい。黒川さーん。点滴交換のお時間でーすよー。」
いきなり扉が開いて、俺の意識が戻ってないモノとしたらしい、やる気なさげな看護婦の声。
「「「・・・・・」」」
沈黙。
「し・・・シツレイしましたぁ・・・」
看護婦が静かに扉を閉めた。
つか、看護婦、顔、赤過ぎだし。
「き・・・・」
更に一拍の後。
「い・やぁぁぁぁああああああああ!!」
病院内に轟くようなヒナタの絶叫が響き渡った。
つか、ヒナタ、さっきの看護婦より顔、真っ赤だし。