のらねこ様、カレシ仕様
烈は改まったようにマジメな顔をヒナタと番犬に向けた。
つっても、怖い元総長の顔じゃなくて、どっちかっつーと兄貴みたいな顔で。
「これからもコイツのコト宜しく頼むな。
コイツどうかすると人間関係もまともに築けないしょーもねぇヤツだが、オマエさん達には懐いたみたいだからな。」
向かいから伸びて『ぼすっ』と頭に置かれた手を軽く振り落とす。
心遣いは感謝すっけど、ウザイから触んな。
ちなみに俺が懐いてんのはオマエさん達じゃなくてヒナタだけだし。
邪険な扱いに苦笑する烈。
番犬は非常に微妙な空笑い。
ヒナタだけは「はいっ♪」と満点のご挨拶。
うん。
俺はそれだけで十分だし♪
話しも一頻りになり番犬が徐に立ち上がった。
「んじゃ、俺、他の奴等にも挨拶してきやっす。って、本来はオマエも来いってカンジだけど・・・」
俺を見下ろす番犬。
・・・メーワクかけたのオマエであって俺じゃねーし、
知らんし。
「はいはい。どーせオマエが来ても役にたたねーし誘わねーよ。」
呆れたように言って、身を翻しかけ、思い出したように足を止める。
「あ、そーだった。・・・ヒナには絶対呑ませんなよ?」
・・・ウゼー。
シスコン、一々、ウゼー。
早く行け。
退け。
消えろ。