のらねこ様、カレシ仕様
「ひぃな♪」
タイミングを見計らっていたように、薫がひょっこり教室に現れた。
基本、お料理当番は私で、お弁当も私が作る。
(たまに薫が代わってくれる時もあるけど♪)
それでお弁当は私が一緒に持ってくるから、昼休みになると薫が私の教室にきて一緒に食べるんだよね。
「わりぃー。待ったか?すっ飛んで来ようとしたんだけど、出がけにツレに捕まってさー。」
「さー食べよう。食べよう。今日はカオちゃんのスキなタコさんウィンナーだよー。」
弾む姉弟の会話に、京香ちゃんが呆れたような溜息を吐く。
「ブラコン、シスコンなんてチョー不毛。アンタもね、早早にオネェチャン離れしてやらないと、この子一生独身よ?」
「おう!そしたら、ヒナの老後は俺がバッチリみちゃるから任せとけ!」
えぇ~・・・
老後の心配がないのは安心だけど、それはどうなんだろ。
私だって人並みに結婚願望あるんだけどな・・・。
そんなカンジでワイワイ騒いでいた私達は、教室が静まり返っていたのも気づかなかった。