のらねこ様、カレシ仕様
ソレはヒナタがふらりとトイレで席を立った時のコト。
「オマエ一体ナニ考えてンだ。」
先ほどまでとは打って変わった冷やかな声。
視線を集めたエンジはにこっと爽やかな笑顔を返した。
「ゴメンなー。ちょっくら修羅場る。場合によっちゃみんなの機嫌損ねるかもだけど、言わせてもらう。」
それだけ言って番犬に顔を戻した時には、元総長を思わせる顔。
「オマエ一体ナニ考えてこんなトコにいンだよ。しかも日向連れてとか、アリエネェだろーが。」
低く、静かに、威圧感ありまくりの声。
元総長も伊達じゃねーな。
ちょっくら怯んだ番犬は、徐に苦笑した。
「や・・・エンちゃん・・・分かってるよ?だからどっか入ってるわけじゃねーし。喧嘩だって殆どしてねーし?」
「オマエ、甘ぇんだよ。日向にあんだけ怪我させといてまだわかんねぇか。相当なアホだな。」
ぐっと番犬が顎を引く。