のらねこ様、カレシ仕様
ただ泣くだけしかデキナイ私の頭に大きな手が乗った。
烈さん。
「ありがとな。アイツ止めてくれて。」
フルフルと首を振る。
「人間な、超えちゃマズイ一線ってのがあるんだ。
相手を殴る事に喜び感じるようじゃ単なる野獣だ。
アイツはアンタのお陰で踏みとどまれたから。」
そういいながら薫の頭にも手を乗せる。
「本来は俺が止めるべきだったんだろーが、アイツが誰か庇うなんてコトにちょっとばかし感動して出遅れた。悪かったな。」
薫もゆるゆると首を振る。
「あいつ、前は本当に他人に無関心で・・・自分が言われたって余程じゃなきゃ無視すんのに、
誰かの為に動くとか、
随分人間らしくなったもんだ。
お前等のお陰だよ。
ありがとな。」
優しくそう言ってくれる烈サンに私達は途方に暮れた顔をする以外できなかった。