のらねこ様、カレシ仕様
俺がやりかえさねーの、あっという間に広がって、復活した矢先から敵討みたいにあっちこっちからフリョーが集まってきた。
それを何故か、番犬がやっつけてくれっけど。
・・・ほっとけよ。
ヒナタにまた心配さすから。
「シネや!」
番犬を掻い潜った男が叫んで足を振り上げた。
「動けっ、クロ!」
番犬の声が聞こえたがまるで動かンかった俺の鳩尾に激痛。
軽く身体が宙に浮いた。
・・・いてぇ。
でもヤラレテも別に怖くはない。
俺に怯えたヒナタは、きっとこれよりずっと怖くて、イタイ思いした。
・・・ゴメン。ヒナタ。
守ってやるっつったのに。
ガッと骨を打つ音をさせて男を殴り飛ばした番犬が俺を庇うように立つ。
「・・・ヒナなら、ちゃんと分かっから・・・・」
そんならしくもない慰めの言葉に、俺は目を閉じる。