のらねこ様、カレシ仕様
「ちょ・・・ヒナ・・・アンタ、それクロちゃん、て・・・」
ん?
振り向けば、ガックリ項垂れている薫以外のみんなは顔を引きつらせている。
なんだろー?
「あ。クロちゃんね、こないだ拾っちゃったんだー♪」
「拾・・・!?」
「てか、ヒナ・・・ひょっとして黒川のコト知らないんじゃ・・・?」
「やっぱ学校の飼育動物だった?」
「「違うし!!」」
そんなことより、時間無くなっちゃうなー。
時計で時間を確認した私は、机の上の私のお弁当をクロちゃんに差し出した。
「ゴメンね。クロちゃんが来るとは思わなくて用意してないから、今日はコレ食べて我慢してね。というわけで私、学食いってきまーす!」
「は!?オイッ、ちょ、ヒナ――――ッ!!」
背後で薫の叫び声が聞こえたけど、時間がなかったから無視して教室を飛び出した。