のらねこ様、カレシ仕様
はっと我に返った時には、手に持っていたはずのカップが滑り落ちていた。
「ご、ごめんなさいっ!!私ボーとしてて・・・」
サイアクなことに隣のテーブルに座っていた男のヒトの上に落ち、残っていた氷が飛び散った。
切れ長な双眸のいかにも出来る男ッてカンジのダンディーなおじ様。
ひええ、お高そうなスーツに水滴が・・・っ!
「いや・・・平気だから気にしなくて構わないよ、お嬢さん。」
「でも、染みになっちゃう。スミマセン。」
慌ててハンカチを取り出して、水滴を拭う。
「ちょ・・・アンタ、なにやってんのよ。」
遅い私を気にして戻ってきてくれた万里ちゃんが、私を見付け素っ頓狂な声を上げた。
「私、水かけちゃって・・・」
そんなことを説明しつつ、ようやく状況に気付いた。
水滴に気を取られてばかりいたけど・・・・私がゴシゴシ拭いてたのは男のヒトの丁度太股の付け根あたりで・・・・。
きゃーぁぁぁあああ、
私、痴女デスカ!?