のらねこ様、カレシ仕様
「もももも申し訳アリマセンッ!!」
飛び退いて真っ赤な顔で謝る私に、ダンディーはふっと口端を持ち上げた。
「いや。コチラこそ得役だったかな。」
見た感じ部下のミスには厳しそうな雰囲気だけど、女の子にはとりあえず優しかった。
私はもう一度深く頭を下げて、万里ちゃんと一緒にその場を去った。
店を出ながら万里ちゃんが
「オッサンだけどイイ男だったわね~。あれなら年上もイイかも♪」
って・・・・
カオちゃん、カノジョが浮気発言ですよ~。
店を離れる時に後ろを振り返ったけれどクロちゃんの姿はもうなくて・・・・。
胸の中で黒い雲がざわざわとざわめいた。