のらねこ様、カレシ仕様
戸惑いつつもしっかり頷いた私を見て薫は立ちあがった。
「なら取り返しに行くか。」
「え?・・・・・薫も一緒に行ってくれる、の?」
少なからず薫は
「あんなヤツ止めとけ止めとけ。」
って方向かと思ってた。
ちょっと驚いて薫を見詰めると、薫はふっと微笑した。
「オヤジがオフクロ至上主義なように、俺はヒナ至上主義だからなっ。ヒナがそれでいいってんなら俺は全力でヒナの味方だっつーの。」
「薫ダイスキーっ。」
「おう、当たり前だ!」
久しぶりにブラコン、シスコンで盛り上がって。
「てか、万里いなくてヨカッタ。アイツも絶対シゴカレル部類だし・・・・」
・・・薫君。
珍しくクロちゃんに肩入れすると思ったら、万里ちゃんと重ねてるからなのね・・・。
ま、イイケド。
いざ、気合を入れ直した私達は、クロちゃん奪還に家を飛び出した。