のらねこ様、カレシ仕様
そうしてこうして、私達はクロちゃんを無事奪還して家に帰った。
留守中に万里ちゃんが来ていて、私達の行く先を聞いて、何故か素っ頓狂な声を上げた。
「え?嘘。黒川、既に親に挨拶したの!?」
私達の注目を集めて慌てる万里ちゃん。
「べべべ、別に会いたかったってワケじゃないんだけど!・・・ね、ねぇ、清楚な服の方がウケがいいわよね?どんな手土産が好き!?」
「「「・・・・・」」」
万里ちゃんってやっぱカワイイ。
薫のカノジョとして挨拶したいんだ♪
・・・・でも。
会わない方が良いと思います・・・。
「な、なによその顔!?アンタ、アタシを両親にカノジョって紹介出来ないっての!?」
「・・・いや、寧ろオマエの為・・・・?」
いきり立つ万里ちゃんに、深い溜息を吐く薫。
クロちゃんはいつになく神妙な顔で力一杯頷いていた。
色々あった親との対面だったけど、これにて一件落着!
・・・・てな事にならないのがこのお話。
この時はまだ次に控えていた嵐をまるで予測していなかったんだ。