のらねこ様、カレシ仕様
和みつつほんの少し目線を下げる
と、ほんの直ぐ傍に俯きがちのオンナの顔が見える。
こんな近くに居ンのに、やっぱり居心地の悪さは感じない。
つか、寧ろソワソワする。
心臓ウルサイ。
そういや、名前なんつーんだっけ?
確かさっき番犬野郎(←薫)が、ヒナとか呼んでたよな。
「名前」
「コッチがスズキ君で、コッチがサトウさんで―――」
んな家族自慢みたいにネコの名前聞かされても、
んな情報イランし!
・・・てか、何なんだ、そのセンス悪い名前・・・
溜息を吐くと、俺の言い分が伝わったみたいだ。
「そっか!いつまでも野良猫クンじゃシツレイだよね!
名前なんての?
私はヒナタ。」
ホント、ノラネコ扱いはヒドイ。
でも、
名前聞けたからヨシとする。
ヒナタか。
ヒナタ。
なんかくすぐったい気分になる。
じゃ、ヒナタって呼ぶかな。
番犬と同じ呼び方はヤダ。