のらねこ様、カレシ仕様
「っ・・・・ヒナっ!?」
万里ちゃんの焦ったような声が聞こえるけど。
「君早く助手席に移動してシートベルトを頼むよ。」
オジサンの言葉にあたふたと助手席に移動する。
言う事聞くつもりはないけど、このままオジサンの上に無様に寝そべってるワケにもいかないし。
何より逃げるなら助手席からの方が早いかと思って。
それだけど。
オジサマは私の考えてる事などお見通しというように、私が自分の上から退いた途端、車を発進させた。
「ま、万里ちゃーん・・・・あのっ、車停めて下さい!」
「シートベルトをしなさい。」
そんな押し問答の最中、前を向いたままのオジサマの目が険しくなった。