のらねこ様、カレシ仕様
私は膝の上に置いた手をぎゅっと握った。
今から店のオーナーかなんかが来るんだ。
それで『報酬は3:7、給料から天引きだ』とかなんとか、大神さんと取り決めを交わして・・・・・
契約書にサインしろとか言われて、判子は血判でイイ、とか言われちゃったり・・・。
と、とにかく!
契約の前に拒否しなきゃ。
大神さんに逆らえそうにないなら、オーナーに直訴しかないっ!
後ろで静かに扉の開く気配。
私は勢いで立ちあがった。
「あのっ、私、・・・・・・っ」
焦りと恐怖でどもりつつ、俯き加減だった顔を上げて―――――
「ええ!?あ、貴女は・・・・・」
そこにいた人物に思わず叫んじゃった。