のらねこ様、カレシ仕様
「あらあら、まぁまぁ。とても可愛らしいお嬢さんね。私の想像よりもっとずぅっとステキだわ。」
嫌味でもなく、無邪気にコロコロと笑うママさん。
どう応えてイイのか困惑していると、大神さんが横から割り込んできた。
「駆けつけるのに少しばかり遅いんじゃないか?・・・何をしてた。」
それにママさんはうなじのほつれ毛をなおしながら、飄々と応えた。
「連絡をしてきたのよ。」
「裏切り者。君だって会いたかったんじゃないのか?」
ふっと鼻で一笑する大神さんにママさんが肩を竦める。
「それはソレ。・・・那臣のあの剣幕を知ったらそんな悠長なコト言えないわよ。何しでかしすか分からない勢いだったんだから。」
ナオミ――――
口紅に彩られたキレイな唇から出たその名前に胸の中がざわついた。