のらねこ様、カレシ仕様


感涙に咽ぶアオキからうんざりと視線を外し、ひょっと眉を跳ねあげる。

それに気付いたアオキが「ああ」と納得したように頷く。


「アイツ昼は決まって消えるんすよねー」



番犬は教室で弁当を広げる事なく教室を出て行った。




この学校、弁当、学食、購買・・・と、昼は好き勝手に取る。


俺は入学早々、アオキみたいなヤツに囲まれて

『お昼は何に致しますか!?』

『学食ならお伴致しますヨ!!』

『パンがお望みならお任せ下さい!!』


と叫ばれた。



ついでに手作りと思しき弁当を抱えた女子も数人混じっていて。


・・・・・ウッザ。


多分、親切。

でも

大きなお世話なソイツ等を無言で置き去りにすること数回。


さすがの奴等も俺の『メイワク』オーラに気付いて、今はほっといてくれる。






パシリっつってもある意味誰かにお願いするってこったろ?

そーいうの一々メンドー。


つか、飯まで管理されてるみたいでヤダ。
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