のらねこ様、カレシ仕様

ようやくたどり着いた我が家。


素直についてくる野良猫クンを従えて玄関まで来て、私は大きく深呼吸した。



よし!




「ただい   「おっっせぇぇぇぇ―――っっ!!」

いきなり怒られた。


「卵一つ買いに行くのにどんだけ時間掛ってんだ!!つか、オンナが夜に一人で買い物とか行くなっ!つか、携帯もってけ!!つか、おっせー!!!後一分遅けりゃ迎えにとびだしてたわっ!」

一息で捲し立てたよこの子。


青筋を立てて怒鳴るのは、弟の薫。

デカイ図体に短めの茶髪にシルバーのピアス。

外見に違わずやんちゃ小僧だけど、私には過保護。

私に懐く様は、ゴールデンレトリバーかラブラドール?

今の買い物も薫が行くって言うのを無視して飛び出しちゃったんだよねー。
だって夜のお散歩スキだし。


「えと・・・カオちゃんにはイタイお知らせがあります。」

私がチラリと背後のドアに目をやると、それだけで察したみたいで、いかめしい顔が更に凄みを増した。

「おま・・・あれほど捨て動物は拾ってくるなっつったのに――――」



手荒くドアを開け放って、絶句。


・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・



「てめ・・・・」




ぷるぷると薫が震える。




「よりにもよってニンゲンのオスなんざ拾ってくんな―――――っっ!!!」




カオちゃんの血管がキレやしないかとオネエチャン心配。
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