のらねこ様、カレシ仕様
「つか、よりにもよって、何でコイツだ。アリエネェ!!」
「え?カオちゃん知ってンの?」
「あの学校でコイツ知らねぇなんざ、ヒナくらいだぞ!」
「ひょっとして学校の飼育動物?」
「寝言は寝て言え!!」
がんっと手荒くドアを叩く。
「今すぐ元のトコロに捨てて来い!いいや、俺が行く!!」
一方的な宣言にむっと顔を顰める。
「だ・め!」
「オマエ、俺に逆らう気か?」
凄むけど、そんなの怖くないもんね。
「だって、怪我してるんだよ?お腹も空いてんのに、追い出すなんてカワイソウだよ!カオちゃんはいつからそんなヒドイ事が出来る子になったの。」
「コイツが野たれ死のうと俺の良心は微塵も痛まねーなっ。」
よほど野良クンがキライなのか、中々うんと言わない。
んじゃ、奥の手いっちゃうよ~?
「じゃ、私も出てく。」
「あ?」
「野良クン心配だから私も出てくし!」
「待て待て待て。」
身を翻した私を薫は慌てて止めた。
さぁ、どーすんの?