のらねこ様、カレシ仕様
俺のポケットで携帯が鳴った。
電話の相手にちょっと待てと伝えて、俺はツレに断って立ち上がった。
「俺が行ってきますヨ。」
カウンターで、どっちがクロを止めに行くか揉めている二人に声を掛ける。
俺に視線を向けた総長の目が揶揄っぽく歪む。
「ふーん?見かけない顔だけど、よっぽど腕に自信があンのか」
―――それともただのアホ?
俺は軽く肩を竦めた。
「腕にはまぁ・・・自信がないわけでもねぇけど。別に喧嘩しに行くわけじゃねぇし。」
は? と疑問符炸裂の二人。
俺は肩越しに「とにかく止めりゃいいンしょ。」と言い捨てて、外へ出た。