のらねこ様、カレシ仕様
外に出るとそりゃ凄惨な事になっていた。
5、6人対5、6人で
互いに1、2人は潰し合ったにしても、後はクロだろう。
てか、至極レアなクロ不機嫌日に出くわして伸されるなんざ、コイツ等運がイイのか悪ぃのか
・・・御愁傷様。
「おい。」
気構えなく声を掛けた俺に遠巻きに周囲を囲っていたギャラリィー達が揃って目を剥いた。
俺を腕試しのアホだと思って心配してくれたらしい。
まぁな。
最後の一人を宙吊りにして、うっそりと振り返ったクロを見りゃ誰だって心配の一つでもしたくなるってもんだ。
コレが正義漢だろうが悪者だろうが、問答無用で喉元を食いちぎられそうな殺気を纏っている。
冷血無感の一匹狼・・・てぇ、方書きも
こんな姿をみれば満更嘘じゃねぇケドな。
いやいや・・・コレ、拗ねてるダケですから。
俺は携帯を翳した。
「デンワ。代わって欲しくねぇってんなら―――」
途端、クロは男を投げ捨て俺の前へ。
電話ちょーだい♪と無言の催促。
早っ!!!!!
てか、
欲しいモノの為にキライなヤツにも媚を売るその節操のなさはどーだ!