のらねこ様、カレシ仕様
「・・・・っにしやがんだ
このクソネコがぁあああ!!!」
本気で振り付けた拳を、クロは珍しく防御もなくまともに食らって蹈鞴を踏む。
つか、いっそ死んでしまえ!!
睨みつけていた俺はやにわに眉を顰めた。
・・・今、にやっと笑わなかったか?
クロは踵を返すとウキウキとした足取りで闇に消えた。
・・・・て、
アイツ、マジで頭オカシクなったんじゃ・・・?
クロの不可解な行動の意味を知るのはその直ぐ後。
「薫―っ!!私に構ってもらえなくて寂しいからって八つ当たりにクロちゃん苛めるってどーいうこと!?オネェチャン悲しいっ!!」
家に帰ったらいきなりヒナに怒られた。
一足先に帰ってきたクロはヒナの膝枕で頭を撫でられ御満悦の様子。
どうやらコイツ、喧嘩の傷を俺にやられたって虚偽の報告したらしいな。
まぁ、殴ったコトは殴ったが・・・・
「・・・・・て、
こんの・・・ウソツキネコがぁぁあああっ!!!」
「コラーッ、いい加減にしなさーいっ薫!!」
ヒナに幸せになって貰いたい。
だけど
やっぱコイツだけは絶対認めん!!
ヒナの説教の中、俺は頑なに誓った。