のらねこ様、カレシ仕様
・・・・・・・オンナ?
瞬間、身体中の血が逆流した。
ガンッ!
振り向きざまに男の顔面に拳を叩きつけた。
イタイのキライだし、喧嘩になったらそれなりにマジでやるけど、
感情でヒトを殴ったのはコレが初めてかもしれない。
本気で殺してやろうか、と思った。
一発で伸されて濡れたアスファルトに転がる男は無視して、蒼褪めて逃げ出そうとした活きのイイヤツを一匹、とりあえずとっ捕まえた。
場所を聞き出すだけして、ソッコー走り出す。
ヤバイ・・・
心臓バクバクして、苦しくて上手く息デキナイ。
今まで強いってヤツと対峙した時だって怖いと思ったことはなかった。
やられないって自信があったワケじゃなくて、
やられてもまぁいいか、って。
や、ホント、イタイの苦手だし、
出来たらやられない方がウレシイけど。
ヒナタになんかあったらどーしよ。
ヒナタに何かあったらって思うだけで、心臓潰れそうなくらいコワくなる。
頼むから。
ちゃんと守るから。
お願い。
ヒナタを無事に返して。