のらねこ様、カレシ仕様
下から睨みつけると、薫は観念したように溜息を吐いた。
「ったく、ヒキョウ。俺がヒナに弱いの知っててそれ言うし・・・・」
うん。
カオちゃんが私に甘いの知ってる♪
「しゃーねぇ。手当して飯食わすだけだかんな?」
「わーい。カオちゃんだから大好き♪」
飛びつく私に、薫、ご機嫌を立てなおす。
その後、大人しく姉弟のやり取りを待っていた野良猫クンにいかめしい顔を突き付けた。
「というわけで、ヒナの温情で上がらせてやっけど調子に乗ンなよ?」
野良猫クンは薫を上から下まで眺めて。
ぷっ。
「・・・意外に似合うんじゃね・・・?」
――――ひよ子のエプロン
それだけ言った野良猫クンは、プルプル震える薫の脇を素知らぬ顔ですり抜けた。
「てめぇ、絶対ぶっ殺す――――っ!!!」
背後で薫の怒声が轟いた。