のらねこ様、カレシ仕様

ふと長い睫毛が震えてゆっくりと瞼が持ち上がった。


「クロちゃん、だいじょーぶ?苦しくない?」


いつもみたいに甘えてくるかと思いきやクロちゃんはふいっと壁に寝がえりを打った。




・・・・クロちゃん?



「・・・ウツルし・・・」


ぼそっと呟かれた言葉に、固まった心がほにゃっと緩んだ。

ああそっか、
クロちゃん私の心配してくれてんだね。


なんだ、驚いた。



なんか嫌われちゃったかと思ったから。



ほっとして、寧ろ心配してくれたコトを嬉しく思いながら、笑いかけた。



「私ならだいじょーぶ。なんならお母さんだと思って頼っていーよ?」


「・・・いし・・・」


「ん?」


「いる・・・けど、・・・あんま一緒にいたコトねーし・・・」




いつもほっとけば治るからへーき。



と、いう事を途切れ途切れに呟いた。





とりあえず、お母さんは生きているみたいだけど。





クロちゃん、ちっちゃい頃からいつも独りだったの?



いつから?


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