のらねこ様、カレシ仕様
ぺた。
想像していた感触はなくて、変わりにおでこに何かがくっついた。
きょとんとして目を開けて、すごい至近距離にあった黒曜石にまたドキマギする。
と、
クロちゃんはぴょんっとベッドを飛び降りて、心なし浮かれた足取りで部屋を出て行った。
・・・・
・・・・・・・・・。
クロちゃんっ、挙動分からな過ぎーっ!
私は変な動悸がする胸を押さえて、へなへなとベッドに突っ伏す。
ビックリした。
いきなりキスされるかと思ったーっ。
って、
べ、別に期待したわけじゃないしっ!!
独り羞恥に悶絶していると、おかゆを乗せたトレイを手に薫が部屋に入ってきた。
「おー治ったか?」
・・・そう言えば、熱ないかも。
身体、随分、楽になった。
そか、クロちゃん、さっき私の熱を計ったんだね。
それで私の目が覚めたって薫に報告しに行ってくれたんだ。
・・・・・私のハヤトチリッ・・・・!