のらねこ様、カレシ仕様
「コイツに運ばせようと思ったんだが、危なっかしくて。使えねーのなんの。」
・・・ああ、分かる気がする。
ちらっと薫がクロちゃんに視線をやる。
「ま、俺は今帰ってきたところだけど、コイツはいつの間にか消えてたし。昼間、ヒナのコト看てるくらいは、ちゃんとやれたんじゃね?」
再び温かな感触を思い出す。
心地よい温かさ。
ずっと守られていた安心感。
トクンと胸が疼いた。
顔が赤くなるのを自覚しながら、心から感謝の笑顔を浮かべる。
「クロちゃん、看病してくれてアリガト。」
うんっと素直に頷くクロちゃん。
やっぱかわいー♪
お礼を兼ねて私はクロちゃんの頭を撫でた。