のらねこ様、カレシ仕様
2 after school
バイトのない日は基本、薫と一緒に帰る。
最近ではそれにクロちゃんも加わって、その日も三人で学校を出た。
校門のところまで来ると女の子が立っていて、私達を見るなりぱっと顔を輝かせた。
「黒川さーん♪」
白い制服が眩い、某お嬢様学校の女子。
ふわっとした剥き卵みたいな小さな顔。
ツインテールにしたふわふわの髪。
ちっちゃくて華奢で、でも溌剌としたイメージがまるで小型犬みたいなカワイイ子。
私と薫は顔を見合わせ、揃ってクロちゃんに顔を向けた。
クロちゃんはまるで分かってなさそうな顔で首を傾げる。
「んもー、黒川さんったら冷たい~。こないだの雨の日、私のコト助けに来てくれたじゃないですかぁ~。」
雨の日・・・
あ、こないだクロちゃんが熱出した日。
クロちゃん、この子を助けに行ったの・・・?