ヴァンパイアノ想イビト
記憶ノカケラ
『真梨…迎えにきたよ。』
――貴方は誰?
『迎えにきたよ…』
――アナタハダァレ?
次の瞬間――…
――ガシッ!!
「いイヤァァァァッ!!」
――ガバッ……
「ハァ……ハァ……ハァ……。ハハッ…なんだ、ただの夢じゃない。」
――どどどどど…
「ん…?」
――バァンッッッ!!!!!
「どうした!」
「お…お兄様………。」
お兄様はホッとしたような顔をして優しく声をかけてくれた。
「…なんだ…また、あの夢?」
「………はい……。」
私は涙をこらえ、喉の奥から声を絞り出した。
「………独りで寝れる?」
――フルフル…
私は頭を小さく振った…。
「…」
「また……横で寝て?」
「フッ……いいよ、でもちゃんと寝れる?」
「お兄様の…隣でなら…。」