ヴァンパイアノ想イビト
そう思いながらテクテクと重い足取りを職員室まで運んでいく私であった。


―ガラッ


「失礼します、兼崎先生はいらっしゃ…!?」



「動くんじゃねえぞ!?」

私は後ろから首の辺りを腕でつかまれ、ナイフを突きつけられた。

何!?
何なのこの人!?

いや…怖い……誰か………誰か助けて。



私を羽交い締めにした男は職員室にいる先生達に向かってこう叫んだ。

「てめぇら、この嬢ちゃんがどうなってもいいのか?嫌だったら金目のもん出せやっ!!」



「「「「えっ!?」」」」



「さっさと出せっ!出さなかったら…」



「――……ッ!」


鈍い痛みが首筋に走った。
そして生温かい何かが出てきているのが分かった。



[この血の香りは…!?もしや……!!]



「おらぁ!さっさと「私の生徒にそのようなマネをされては困ります。」


え…兼崎先生!?




「なんだてめぇっ!?殺してもいいのか!?この嬢ちゃんをよぉっ!?」



「い………やぁっ!!」


男はさらに首に傷をつけてきた。


このままじゃ本当に殺されちゃう…!
助けてよ……兼崎先生…助けてっ!!



――ドッ…


「え?」



「…っったく…手間かけさせやがって…おとなしく捕まってりゃよかったものを。」



そこには男を気絶させ私の肩に手を置いていた兼崎先生がいた。



「か…兼崎先生…」
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