ヴァンパイアノ想イビト
「ん…なんだ?」



「ありがとう…ござい…ました……。」



「それよりお前大丈夫か?」



「は、はい………いッ…!?」


また鋭い痛みが首筋に走った。



「嘘つけ。痛いんだろう?ちょっとこっち来い。」



「は…はい。」



先生が連れてきたのは体育館裏の倉庫。




「先生…?~…ッ!?」


なんでこんなところに…と聞こうとすると私が追ったさっきの傷のところに舌を這わせていた。
まるで血を欲するヴァンパイアのように…。


「ん…やぁ……いた…ぃ…」



「辛抱しろ…すぐ治してやるから…」



――ピチャッ…ピチャ………


「ハァ……ハァ…」


先生が這わすのを止めると…


傷が治ってる!?


うそ……



「大丈夫か…?」



「大丈夫、です…。」



「そうか……じゃあもう今日は帰れ。お前の親にも一応知らせておくから…」



「親は………いません。」



「え………?」


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