ヴァンパイアノ想イビト
「私の両親は………18年前に死にました。」


そう…あの激しい雪の降る夜に……。

お父様と………お母様は……
私たちを守ってくださるために………。




「……悪いこと言ってしまったようだな……。」



「伝えるのであればお兄様に………ッ!」

目眩が…


「おい!!大丈夫か!?」



「遥お兄様…に……」




私は兼崎先生に体を預け、意識を手放した。


―――――





「……こ……」



「ん…」



「真梨子、大丈夫か!?」



「ん………?お…お兄様…?」



「ハァ―…真梨子が倒れたと聞いたときは血が凍り付いたかと思ったよ…。」



「ご…ごめんなさい。」



「しかも…不審者に首切られたって聞いたけど…傷はないみたいだね?」



「へ…?嘘………。」



「ほら見てごらん。」

お兄様は私に手鏡を差し出した。



「………。」

本当だ…でもなぜ?
二度も切られたはずなのに……。



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