7つ上の翔太先生。2
…一瞬間が空いた……

私のことを呼ぶのは……先生、

嘘でしょ………。


「はいっ!」

私は小学校一年生のように元気よく挨拶をした。


この教室には生徒があまり居ないからさほど迷惑はかからないだろう。


「これ、違うよー。」

「え、あ…ほんとだ。」


先生は問題の横に小さく×をつけた。


「はい、じゃあ…俺ずっと見てるから、解いて。」


え、ずっと見てるの?

緊張しちゃって解けないよ。




初めて名前で呼ばれた……、

『さん』付け、

本当は呼び捨てがよかった。

だけど、いい。

私は呼ばれただけでも嬉しい。

このとき私は死んでもいいと思った……



先生、そんな些細なことでも私が喜んでるって知ってた?










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