7つ上の翔太先生。2
そんな浮かれないまま、私たちは大阪についた。


私たちの地元とは違う、また何かいい感じの空気だった。


新幹線を降りた私たちは即観光バスに乗せられ、大阪のど真ん中に来ていた。

瑠璃とは同じクラスじゃないから、盛り上がる人も中々いなかったりする。




だから、いつも私は一人。

バスの座席だって、友達じゃない子と組まされたりも度々。

決めるときだって、『萌依はここでいい?』なんて当日までわからない人の隣になろうとしたときだってあった。


『うん、いいよ。』なんて涙を堪えながらも明るい声で振舞う。

クラスメイトのフォローがあって、そのときは平等にくじ引きになった。



一人は楽で好きだというのも嘘じゃない。でも、

一人を好んでいるわけじゃない、本当はグループに入りたくても入れない。

昔の恐怖感に襲われる。

嫌われてしまったらどうしよう、


それだけ。


人が怖い、人に見られたくない、人に会いたくない、―――人間恐怖症。




そうして私はどんどんどん底に沈んでいく。

一度話して、気が合う。と思ったら私から話しかけられる。

だけど、やっぱり怖くなったりする。


多田先生もその一人、たまに大人は怖いと思う。

態度が急に変わったりするから、


でも、大人は…よっぽどのことが無い限り、子供を裏切らないと思う。

先生は……私を見捨てないでくれた、


だから、私はまた人を愛すことができたんだ。


届かないとわかっていながらも、恋をした。


辛くても、どんな壁があっても、頑張れた。




「萌依ー!いくよー。」





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