7つ上の翔太先生。2
「うわぁ…大きい………。」


大阪城を目の前にして、私は言葉が漏れた。

先生と…いつか大阪来たいな……。


「萌依ー!」

と遠くで私の名前を呼ぶのは瑠璃。

「大丈夫ーー??」

あまり大声を出せない……

いつもなら大きな声を出して、『だいじょーぶーー!!』と言いたい。


私は大きく頷きながらVサインを送った。


「向こうにきっと先生たちいるから、行こうか。」


「あっ、はい。」

でも、まだ先生たちは宝探しの途中。

皆は暗号を元に、宝探しゲームをしている。


"私もやりたかったな…"


「来たよ、」


2列に並んだ3年4組のメンバーが私のことを一斉に見る。


この一斉に見られる感じ……嫌だな…………。


「行っておいで、」


「はい。」



と私はさりげなく4組に混じった、


案の定、友達には『大丈夫?』なんていわれる。



大丈夫じゃないから…さっきぶっ倒れてたんだってば。


そのぐらい気づけよ、なんていえるはずも無くて。


「うん、まあまあかな。」


とまた自分を作る。



< 41 / 71 >

この作品をシェア

pagetop