7つ上の翔太先生。2
正直言いたくなかった。


ううん、違う。いえなかったんだ。


もし、引かれたらどうしよう。

もし、嫌われたらどうしよう。って…不安がよぎる。


私はうつむいたままだった………


「萌依ちゃん???」


「えっ、?」

誰かの声で我に戻った。

「どうした?いないの?萌依ちゃんは。」


「……うーん、、、」


言葉を濁らせる私は皆不思議そうな顔をしていた。



「いるよ。けど、届かないんだー。」



と少し得意げに言ってみた。


「年上のね、塾の先生。うん、はい。次ー!」


なんとかこの場から逃げることが出来た私。



どんどん自分を苦しめてる。



今やっとはっきり分かった。


先生の曖昧な答えが、曖昧な態度が私を苦しめてるんじゃない。


自分が自分を苦しめているだけなんだ。





――もう心が痛いよ――
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