7つ上の翔太先生。2
「諒くん…話って……何?」

私と二人っきり。

まわりには苦手な子がいたけど、無視した。

だって、友達だもん。諒くんとは、

なんの関係もない。

 

「俺ね、やっぱり。友香のことが忘れられない。」


友香っていうのは諒くんの元カノ。

「こんな俺でも、好きって言ってくれたんだ。」

「だから……もう一回友香とやり直したいんだ。」


実を言うと、諒くんはずっとだまされ続けていた。

友香はモテるし、男子ウケもいい。

だから、勘違いされることも多いみたい。


友香の気持ちも分かるし、諒くんの気持ちもわかる。


「……そっか……。」


「うん、もう一度信じてもいいかな???」


私は返事をすることができなかった。

諒くんは優しいから、なんでも無理しちゃうと思うから。

もっと、いい人に会えるよって……言ってあげた方がいいのかな?


「……もし、友香がまた同じこと繰り返すかもしれないよ?それでも、信じてあげれるのなら……いいんじゃないかなぁ……。私は、どっちの味方もできないけど、諒くんは悪くないよ。だって、ずっと信じてきたんでしょ?」





「だったら……いいんじゃないかな???」



「……萌依……ありがとう。」


諒くんは暫くの間、ぎゅっと私の服を掴んで泣いていた。

辛かったんだよね。きっと、


なんでだろう……みんな辛い思いをしなきゃ恋ができないなんて。




幸せになれる恋ってないの???


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