誓いの言葉・社会人編
◇省吾side


胸がいっぱいだった


感動させる様な詩や言葉を知らない俺は自分の気持ちを素直に伝える事しか頭になくて


正直格好悪かったかもしれない


でも瞳は嬉しそうに微笑んでくれた


今夜用意した指輪は特別な思いを込めて用意したもの

俺達は桜の時期に出会い

桜の時期に結ばれ互いの夢を実現させる為に離れる





俺が社会人になったら

今度は本物を贈ると誓って用意したもの


瞳と未来を歩くに相応しい男にならなければならない

一人前の大人に…



俺は抱きしめた瞳をそっと見る


彼女の少し濡れた髪は美しく、小さな赤い唇は瞳の肌の白さを際立たせる


瞳の真っ直ぐで綺麗な眼差しは俺の気持ちをグラつかせる


抱きたい……
やっぱり我慢なんかできない…指輪だけでなくもっと瞳を自分だけの物にしたい





でも俺の欲が瞳を汚してしまう気がして…迷っていた
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