誓いの言葉・社会人編
◆瞳side


車のドアを閉めた途端
抑えていた涙が止まらなかった
振り返る事ができなかった


沢山の思い出と暖かくて安心する省吾さんの腕の中
そのどれもが今鮮明に思い出される


手に持つタオルに顔を埋め、声を殺して泣いた


見るに見兼ねて運転席のおじさんが、コンビニに停め外に出る



………………
……………………


しばらくして
戻ってきたおじさんの手には、小さなアイスノンと甘いココア


ココアは私が幼い頃泣いた時必ず買ってくれた飲み物だったから
思わず笑ってしまった


「すげえ顔だぞ!目をしっかり冷やしてろ。
はぁ〜お前のその涙の訳に俺との別れも含まれてるのかね?100%省吾か?」


「………………」


「こら!お世辞でも違うとか言えっ」


おじさんは私の頭にポンと手を乗せワシャワシャと髪をいじった


「省吾は優しいか?アイツなかなか良い奴だよな」
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