君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「それじゃ、栞ちゃんがダンスをすることを許したんですか? 」
敦子が気になって尋ねた。

「うん・・・・・とりあえず進学して、また、そこで考えてくれればいいと思ったの」
真紀子は、どこかさっぱりしている様子だった。

「こちらこそ、栞のことで余計な心配させちゃって」
真紀子が、すまなそうに言う。
 
「いや、そんな・・・・・・・でも、良かった。お母さんが許してくれたら、きっと栞ちゃんも嬉しいと思うわ」
敦子も案心したように言う。

「私達のことより、敦子さんの方が心配だわ。その男の人に追い回されて迷惑しているんだったら、弁護士の私が相談に乗ってもいいけど」

真紀子は、栞のことで敦子に世話になったことを感じている。困っているなら、なんとかしてやりたい気持ちがあった。


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