君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「なぜ、ここに来たのかしらん? 」
小田が不思議そうに言う。

「自分が誘ったんだ」
「えっ!? 」
正和が答えると、竹中と小田が目を丸くした。
浜田は、チラリと何食わぬ顔をして正和を見て、再びスーマトフォンで検索をする。

「どうして?」
小田が聞くと、竹中も同じことを聞くようにして正和を見る。

「彼女と連絡ついたら、どこにいるか教えてやろうと思ったんだ。それで、この店で落ち合うことを約束していたんだが・・・・・・」
正和は、呆れたように言って立ち上がり、小野寺のそばに行く。

竹中と小田は、なんのために敦子の元彼の正和が、同じ元彼の小野寺のことを心配して親切にするのか、さっぱり理解できない。そのことを思いながらも、正和の行動を気に掛けた。

「そうか・・・・・・」
急に浜田が、何かを探し当てたように納得するように言う。

「彼は、なかなかの人物だよ」
そう言って、浜田は竹中と小田に、スーマトフォンを見せる。

スマートフォンを見た瞬間、二人は驚く。そして、小野寺の方に目をやった。


< 107 / 137 >

この作品をシェア

pagetop