君だけに夢をもう一度 ~完結編~
敦子は、ホテルに入るなり真っ先にフロントに行きチェック・インの手続きをする。
その間、小田はロビーのソファに腰かけた。

待つ間、小田は携帯電話を取り出し、正和に連絡を取ってみる。

三回目の呼び出しで、正和が出る。

「あっ! 正ちゃん・・・・・・」
正和が、すぐに出るとは思わなかった。
それが意外だったため、一瞬驚いた。

「敦子さん、ホテルまで案内したわよ」
小田が正和を案心させるように言う。

「ところで、今、どこにいるの? えっ! 栞(しおり)ちゃんと・・・・・・どうして、そんなところに?」
小田が興味深く聞く。



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